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 高野山町石道の三角点探訪 2008年11月22日(土)
女人高野:慈尊院→雨引山展望台→六本杉→二つ鳥居→神田地蔵堂→笠木峠→矢立交差点→袈裟掛石→押上石→鏡石→大門→弁天岳→女人堂→南海高野山駅
全長24km RooteMap

高野山町石道は、約一千年前、弘法大師(空海)が高野山を開いた時、木の卒塔婆をたてて道しるべをつくった道だ。九度山町の慈尊院から高野山の大門、壇上伽藍までの180町(約20km)にも及ぶ道程に、1町(約109m)ごとに180本建てられた。鎌倉時代になって木の卒塔婆は石造りに代えられ、今も九度山の山麓にある慈尊院から高野山上にいたる山道にこれらは残っている。
2004年7月7日、ユネスコの世界遺産委員会において、「紀伊山地の霊場と参詣道」という名称で、高野山町石道も文化的景観(自然と人間の営みによって形成された景観)として、世界遺産に登録された。

私は、紀ノ川河川敷、高野口町小田で生まれ育ったので、雨引山、高野山弁天岳は懐かしい山々だ。山歩きを始めて3年になり、足腰に自信がついたので、今回、世界遺産となった高野山町石道登山と、趣味の三角点探訪を併せてチャレンジした。
高野山町石道は、よく手入れされ快適なハイキング道だ。今回は、三角点探訪や写真撮影に時間がかかったので、忙しくしんどい山歩きだったが、これらを除けばすばらしいハイキングを楽しめると思う。次回はのんびり一つ一つ町石を見ながら歩きたいコースだ。
06:35
女人高野
慈尊院の総門に到着。
総門の看板
  右:別格本山 女人高野 慈尊院
  左:世界遺産 慈尊院
高野山町石道祈りの道出発点

ここから高野山金堂まで全長24qの町石道が始まる
06:39 慈尊院本堂

本堂の前には小説「紀の川」に著されたという乳房型絵馬が奉納されていた。

慈尊院は、弘法大師の御母堂が住せられた院で、女人結縁の寺として知られ、女人の高野山参りはここということで「女人高野」とも呼ばれている。
06:45
多宝塔の横の階段で丹生官省符神社に向う

06:46
最初の町石「
百八十町」石が階段の右側に建っている
06:48
丹生官省符神社の鳥居を潜り、拝殿へ

弘法大師空海が、慈尊院を開創したとき、その鎮守として高野山の山王神でもある丹生都比売、高野御子神(狩場明神)をここ丹生官省符神社に奉祭したという。
06:56
勝利寺に到着

急階段を登り、真っ赤な仁王門を潜ると赤い本堂があった。
本尊は、空海42才の厄除のため、自ら彫刻したの十一面観音だそうだ。
07:30 -07:40
雨引山の中腹にある
展望台に到着

南にはこれから登る高野山の弁天岳が望める。 あそこまで登るのかと、あらためて気を引き締める。
展望台からの眺望

大きく蛇行する紀ノ川の河川敷に広がる高野口町の町並みの背後に、左から岩湧山、三石山、金剛山が並ぶ
08:15 -08:30 四等三角点「雨引山」を探訪。三角点まで、三角点から山頂まで道がなく一部薮漕ぎになった。
08:40 
雨引山山頂に到着
 山頂には「善女龍王」の石碑が建っていた
08:50 雨引山山頂への登山口に下りてきた。 ここには百五十四町石が建っていた。
08:53 76才と7?才のご夫婦に出会う。大門まで歩かれるそうだ。元気だ

09:07 -09:15 四等三角点「田ノ多和」探訪。少し町石道を外れ、2つ目の三角点を訪問。手入れされた杉林の真ん中にあった。
09:20 整備された町石道を歩む

09:34 六本杉に到着
丹生都比売神社へ1.3q、15分の案内。今回は断念して町石道を急いだ。
09:37 六本杉近くの百三十六町石
町石道から少し離れた林の中にあった。

09:55 -10:12 二等三角点「大筒ケ峰」探訪。このピークには、小都知ノ峯683.5mの山頂標示があった。展望なし。
10:40 -10:50 二ツ鳥居
展望台からは丹生都比売神社のある天野集落が眼下に位置する。
二ツ鳥居は、高野山の地主神である丹生都比売神社の祭神、丹生都比売神、高の明神を遙拝したところ。弘仁10年(819年)弘法大師によって建立され、当時は木製だったが、慶安2年(1649年)に石造りになった。
高さ1丈7尺(約5.6m)、広さ2間(約4.7m)
11:00 町石道は紀伊高原カントリークラブのすぐ横を通る。

11:07 112町石近くの神田地蔵堂に到着。 前には神田集落の田園が広がっていた。
11:10 手入れされた杉林の中、町石道が続く。歩きやすい遊歩道だ。

11:27 -11:33 4個目の三角点、四等三角点「神田」探訪。
12:09 笠木峠に到着。
大門へは右折、左折すると上古沢駅まで3.5qだそうだ。

12:24 -12:52 三等三角点「花坂」探訪。
13:40 -13:50 四等三角点「八丁坂」探訪。矢立交差点からこのピークまでの高度差は105mだが、超急坂でこの往復はほんとに疲れた。
14:04 
矢立交差点の矢立茶屋
国道480号線(高野山道路)を横断。車がたくさん通るので写真を撮るのが危ない。
14:16 袈裟掛石
弘法大師が袈裟を掛け石。この石から高野山の清浄結界となる。

14:19 
押上石
弘法大師の母上が結界を乗り越え入山しようとした時、激しい雷雨が火の雨となったので、大師がこの大岩を持ち上げ匿ったそうだ。
14:40 杉の大木の横を町石道が進む。 高野山に来た気がする。

14:53 国道480号線(高野山道路)を再び横断。
15:06 三十二町石付近で弁天岳を望む。最高峰が弁天岳でその右の谷間に大門がある。

15:16 鏡石
表面が鏡のように平らなことから鏡石と呼ばれ、この石に向って真言を唱えると心願成就するそうだ。
残念、真言を覚えておくべきだった。
15:29 二十一町石はすっぽり埋まっていた。

15:33 落葉がパッチワークのように散りばめられた町石道。 日暮れが近いので駆け足だ。
16:00 やっと着いた十町石。 北条時宗が寄進した十町石は、杉の木に寄り添っていた。

16:03 大門への最後の登り坂。最近の中高年は元気だ。悲しいが追いつけない。
16:10 やったー。大門に到着。
16:11 高野山の正面玄関の大門
16:17 大門の南側にある弁天岳への登山口

16:40 -14:50 弁天岳山頂に近いスポットから見た夕陽。ここからの眺めは絶景だった。
16:55 (だけの)弁財天社
高野山の外八葉(そとはちよう)と呼ばれる山の一つ弁天岳(標高984.5m)の山頂に祀られている。
16:57 -17:02 三等三角点「弁天岳」探訪。弁天社の手前、山頂広場の端にある。

かなり暗くなっていたが、一眼レフカメラではきれいに写るものだ。
17:23 女人堂に到着。すっかり夜になってしまった。バスを利用したかったが、次のバスまで25分待ち。しかたなく闇夜の中、高野山駅まで歩く。
17:45 南海電鉄
高野山駅に到着
早朝6時半から歩き始めた今回の山歩きは、11時間余しで終了した。 いやー疲れた。六甲縦走の次にしんどかった山歩きでした。
世界遺産 高野山町石道 道程

 
慈尊院
    ↓ 1.6q 35分
 
166町付近(展望台)
    ↓ 1.3q 25分
 
雨引山分岐
    ↓ 1.8q 35分

 
六本杉峠 → 丹生都比売神社
    ↓ 1.6q 35分
 
古峠 → 上古沢駅
    ↓ 0.8q  8分
 
二ツ鳥居 → 丹生都比売神社
    ↓ 1.0q 19分

 神田地蔵堂
    ↓ 2.7q 46分
 
笠木峠
    ↓ 2.7q 45分
 
矢立交差点 → 紀伊細川駅

    ↓ 0.6q 10分
 
袈裟掛石
    ↓ 0.1q  2分
 
押上石
    ↓ 2.7q 45分
 
40町付近(国道横断箇所)
    ↓ 1.3q 20分
 ●
鏡石
    ↓ 2.3q 50分
 ●
大門
    ↓ 0.7q 10分
 
壇上伽藍
    ↓ 0.4q  7分
 
金剛峯寺
    ↓ 3.0q 49分
 
弘法太子御廟


 全長 約24q 7時間20分

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